電力業界に学歴フィルターは存在するか?

いまや、学歴フィルターは存在しない

私たちは最近、このような質問を受けます。

「電力業界の採用方針に学歴フィルターは存在するのでしょうか?」

電力市場が自由化される2000年以前には、学歴フィルターは存在していたと思われます。当時は電力業界の業務が比較的安定していました。中長期の電力需要を想定し、これを前提に安定供給を実現する電源・系統計画を作成し、その計画を実践する。この業界の実務はこのようなサイクルで安定し、求められる人材も定型業務をより正確・迅速にこなすタイプの学生だったのです。

変化する事業環境

しかし21世紀にはいり、電力市場が自由化された後、業界の環境は一変しました。

新電力の進出に加え、特に3.11後は電力会社相互の市場参入が激化しています。この間、電力需要はLED・太陽光発電・スマホの普及によって伸び悩んでいます。このような市場環境の下で、全ての電力会社が生き残りをかけた、戦いをはじめているのです。

役員の経歴に注目

トップの学歴をみてみましょう。例えば最大手の東京電力の役員をみると、つい10年前までは東大卒が相当数を占めていました。しかし東大卒の役員は文字通り数えるほどに減少しました。現在では、旧二期校、早慶に加えて、MARCHの卒業生が名をつらねています。女性役員も現れはじめ、現在では4人に至っています。役員トップがこのような状態ですから、新卒・中途採用はさらに学歴が流動化せざるを得ないでしょう。

世界的なカーボンニュートラル政策への変化、乱高下を続ける電力市場、停滞する原子力発電、ネットワーク利用の柔軟化、SDGsへの対応、これらの大きな変化が現在進行中で、業界も行動力に長けた人材を確保しようと懸命です。学生の経歴よりも実践力を重視し、多様化を図らざるを得ないのです。

もはや学歴ではない

新卒、中途採用に関わらず、就活生も自分自身のキャリアよりも能力を磨く時代です。自分自身の強みを把握し、企業に対して、どのような価値を提供できるのか、を自ら提案することが重要です。その際、熱意を十分に伝えることもさらに重要になります。表面的な企業研究に留まらず、細部を理解した上で、企業側に訴求できる知識を備えることが不可欠となるでしょう。

Energy Research & Techは業界実務に豊富な知識と経験を有した集団です。一般の就活支援がごく一般的なマナー等の対策に留まっているのとは対照的に、業界が置かれた現状・将来像を適切にご提供することができます。2023年度の採用活動に向けて、皆さんの就活活動を強力にご支援し、企業対策をより完璧なものにいたします。

 

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